ネストレ-アーラント版/UBS版聖書本文の検証
マタイ19・17

オリゲネスの信念(至高善)への改ざん事例

フロイド・ノレン・ジョーンズ博士

新約聖書本文TRの訳例
彼はその人に言われた。『なぜ私を善い者と言うのですか?
 神おひとり以外に、善い者は一人もいません。
 もしあなたがその命に入りたいなら、命令を守りなさい』
TR 新約聖書

「彼のたまへり、何故に汝は我を善といふや。善は一、即ち神の外にあるなし。されど汝もし生に入り来らんと欲せば、誠を護れ」新契約聖書

「And he said unto him,Why callest thou me good? there is none good but one,that is,God …」KJ

ネストレ版/UBS版聖書の訳例
「イエスは言われた、『なぜよい事についてわたしに尋ねるのか。よいかたはただひとりだけである。もし命に入りたいと思うなら、いましめを守りなさい』」

「Jesus said unto him,Why are you asking me about what is good? …」(NAS/NIVも同様)
コメント
 この裕福な若者は、永遠の命を持つようになるために、どの善いことをすべきかを主に尋ねました。
 イエス様の返答は、人間の堕落とキリストの神性に関する新約聖書の言明の中で最もすばらしいものの一つでした。
 この質問は、永遠の命についてのことでした!
 問題の核心は、イエス様でした!
 この若者は、「何が良いこと(善いこと)か?」を尋ねたのではなく、「私はどの善を行えばいいのか?」を尋ねたのです。
 イエス様の答えを言い換えると、こうなります。
 「若者よ、あなたは私を善い者と呼びました。あなたは自分が言っていることを、わかっていますか?
 なぜなら、聖書は、善い者はおひとりだけおられ、それは神であられると言っているからです。
 今、あなたはそれでも私を善い者と呼ぼうとするのでしょうか?」
 もし彼が今やイエス様を「善い方」と認識しているとすれば、それは、「イエス様は肉において来られた神であられる」という告白になるはずです。
オリゲネス
オリゲネス
 イエス様は、ご自分のご人格に関してこの裕福な若者と対決しておられたのです。
 このように言われることにおいて、イエス様はご自分が神であることを肯定しておられるのです!
 イエス様の答えは、オリゲネス(紀元185年〜254年。前書第五章を参照)のプライドを深く突き刺したにちがいありません。
 オリゲネスこそ、聖書のこの改ざんの根源の人物です。(→ 聖書の歴史 C-4オリゲネスの信念」参照)
 彼はグノーシス派(異端)のアレキサンドリア(エジプト)のギリシャ哲学者でした。
 オリゲネスは、このような正しい読み方を受け入れることはできなかったはずです。
 彼はそれを、この裕福な若者がイエス様に、ギリシャ哲学の大きな問いである『何が至高(最高)の善であるか?』という質問に答えるよう求めたかのように変更(改ざん)したのです。



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