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シナイ写本の意図的な削除

ディビッド・ダニエルズ

(https://www.youtube.com/watch?v=5zaTPcB2bBs&feature=youtu.beより)




 を書くためには、紙から始めます。
 紙を半分に折ると、二つのフォリア(二枚の紙)になります。(フォリオは「葉」を表すラテン語。フォリアは複数形)
 それぞれのフォリオに両面があります。
 一枚の紙が、四つのページになります。
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 四枚の紙は、16のページ(8のフォリア)になります。
 これが一帖(じょう)(クワイア)です。
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 シナイ写本は、いくつもの(クワイア)が縫い合わされ、一冊の大きなとなるように作られています。

キャンセル・シート

 もしあなたがこの本の校正者の長であり、あなたの部下の書記者が大きなミスをしたとしたら、どうなるでしょうか?
 こういうことです。
 子どもが手を上げて、こう言います。
「先生、私の書いているページで間違いをしてしまいました。
 もう一枚、紙をもらえますか?」

 すると私なら、「いいですよ」と言って、新しい紙を一枚渡すでしょう。
 シナイ写本を書いた人々は、明らかに、それと同様のことをしたのです。
 けれども、もしそれがひどいものであった場合は、校正者の長、あるいは、『ディオーソテス(検証者)』とも呼ばれる人が別の紙を持って来て、それで差し替えました。
 一枚の紙を差し替える場合、その紙は「キャンセル・シート」と呼ばれます。

キャンセル・シートで差し替えをした書記者

 シナイ写本の新約聖書には三枚の「キャンセル・シート」が存在します
 6フォリア(3枚)であり、12ページ分に相当します。
 これらの箇所で、シナイ写本の一人の書記者Aのミスを消すために、別の書記者Dキャンセル・シートを使いました。
 私たちが今関心を払っているのは、二番目の「キャンセル・シート」です。
 その箇所は、マルコ14・54からルカ1・56までの部分です。
 つまり、その箇所の真ん中に、マルコ16・9〜20あるはずです。
 それは、もともとそこにあったのでしょうか、それとも、なかったのでしょうか?

 書記者Dは、書記者Aが書いたものを取り除き、自分が書き直したキャンセル・シートで差し替えました。
 なぜ、そうしたのでしょうか?
 ある人たちは、書記者Aはマルコ16・9〜20を書いたが、上司である書記者Dはその箇所が気に入らず、それを排除するために、自分でその箇所全体を書き直した、と考えています。

差し替えをした書記者D

 ところで、書記者Dについて、次のことをお知らせしましょう。
 彼は完璧主義者です。
 これ(詩篇)は美しい記述ではないでしょうか?
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(クリックで拡大されます)

 専門家たちが言うように、同一人物が書いたものであることは、その筆跡によってわかるのです。
 こちらは彼がキャンセル・シートに書いたものです。  
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 専門家たちによるとこうなります。(私はそれを英語に訳して述べるだけです)
 彼はルカの箇所のためのスペースを測ることからスタートしています。
 次に、彼はルカ1章を書いています。
 ただし、彼はその数々の文字をかなり圧縮しています。
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 この最後のページで、彼は他のページの場合よりも、200字以上多くの文字詰め込んでいます。

書記者Dずさんな記述

 彼はこれをずさんな仕方でしています。
 彼は動揺していたと言うことができます。
 もしかすると、プレッシャーを受けていたのかもしれません。
 この最後のページのルカ1・26の箇所では、彼は、天使ガブリエルがナザレのマリアに現れたのが、ガリラヤではなく、約110キロも離れたユダヤであったと書きました。
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 世界中の聖書の中で、この間違いを犯している聖書はこれ以外に一つもありません。
 彼は注意を払っていなかったのではないでしょうか?
   さらに、彼は44節からコピーして、41節「大喜びして」という語を付け加えています。
 世界中の聖書の中で、ここにこの語を加えている聖書はこれ以外に一つもありません。
 ところが、書記者Dはこれを行ったのです。
 書記者の目標とするところは、ただ仕事を行うことではなく、それを正しく行うことです。
 ここを見てください。
 一行につき、14字、15字、14字、17字、14字もあります。
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 彼がこれらの文字を詰め込んでいるのがわかるでしょうか?

 専門家たちによると、彼はルカ1章で文字を詰め込むや、次に、マルコ15章と16章の箇所に着手しました。
 その初めのある箇所で、彼は確かに、また文字を詰めました。
 裏面を見てみましょう。
 彼は9節から20節まで削除していることを隠そうとしたのです。
 ところが、今度はスペースが多すぎました。
 彼はどうするのでしょうか?
 文字と文字の間の間隔(字間)広げたのです
 こうして、マルコ15・19から始まって、字間はどんどん大きくなりました。
 見てください、この行には10字、この行にはわずか3字であり、それから9字、10字、10字、5字(一つの語句)、10字、11字、10字、4字…です。
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(クリックで拡大強調されます)
 おわかりでしょうか?
 先の箇所とは非常に違っているではないでしょうか?

 それから彼は、マルコの終わりの箇所を書いて、少しのスペースを埋めました。
 しかし、それでもまだ、ほぼ一つ分の欄(縦欄)が空欄でした。
 この完璧主義者書記者D)は、このようなずさんなことをしたのに、別の皮紙を手に入れて、書き直すことをしなかったのは、なぜでしょうか?
 彼は急いでいたにちがいありません。(ただし、それは別のビデオで取り上げることにします)
 マルコ16章を含む古代ギリシャ語文書は620ありますが、二つの文書以外、すべての文書が9節から20節まで含んでいます。
 その二つとは、シナイ写本と、ローマ・カトリックバチカン写本です。
シナイ写本バチカン写本

 私は、シナイ写本には、もともとはマルコ16・9〜20の箇所があったのだと思います。
 そして、書記者Dはたくさんミスをしましたが、時間に追われていたのです。
 それを持ち出すためにです。
 その結果は、ご存知の通りです。
 シナイ写本が公表された後、世界中で人々は自分の聖書に欄外注を書くようになりました。
 「一部の神のことばは、本当はなかったのだ」と。
 悪魔が望んだのは、人々が疑いを持つことだったのです。


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歴史Q 偽造された写本
1 偽造写本の"出現"
2 白いシナイ写本・薄黒いシナイ写本
3 だれがシナイ写本薄黒くしたのか
4 色付けされたシナイ写本
5 シナイ写本の意図的な削除
6 偽造写本『2427』の正体
7 ティッシェンドルフが持ち去った『シモニデス写本』
8 ティッシェンドルフ抜き取られたシモニデス氏の写本
9 シナイ写本・バチカン写本_どちらも偽証物です!!



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