聖書の歴史 E-10 聖書の歴史 目次 

現代版聖書のルーツ3

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第三部 バチカン写本・シナイ写本とは?


● 聖書の真の『写本』とは?

 これまでの学びで、現代版聖書の中核となっているものがバチカン写本・シナイ写本であることを見てきました。この二つの文書には『写本』という名前が付けられていますが、聖書の真の『写本』とは、いったいどういうものでしょうか?
 次の二つの問いに、あなたはどう判断するでしょうか?

例題1
 『古代の写本らしきもの』が発見されたと仮定します。
 そこには、ギリシャ語でこう書かれてありました。
 『人は水と御霊から生まれなければ、神の国に入ることはできません

 さらに詳しく調べた結果、それが紀元1世紀か2世紀のものであることが判明したとします。
 これが聖書の真の『写本』である可能性はあるでしょうか? ないでしょうか?

例題2
 同じく『古代の写本らしきもの』が発見されたと仮定します。
 そこには、ギリシャ語でこう書かれてありました。
人はだれも四人の処女の服を着せてもらわなければ神の国に入ることはできない
 人は、この四人の処女の服をも受けなければ、神の御子の名を受けるだけでは何の役にも立たない

 さらに詳しく調べた結果、それが紀元4世紀のものであることが判明したとします。
 これが聖書の真の『写本』である可能性はあるでしょうか? ないでしょうか?

聖書を知っている敬虔な聖徒たちであれば、例題1については、こう考えるのではないでしょうか?
 「これはヨハネの福音書3・5を書き写した聖書の真の『写本』である可能性が大きい。
 これは聖書の真の『写本』にちがいない…」

 そして、例題2については、こう推測するのではないでしょうか?
 「これは聖書の真の『写本』ではない。このような教えは聖書の他の箇所にはどこにも書かれてなく、むしろ、全く食い違っている内容である。これは『何らかの異端文書遺物にちがいない…」

 そして、彼らが聖書の真の『写本』だけを収集する敬虔な学者たちであるなら、このような『遺物』を、5000を越える聖書の真の『写本群』とは無関係のものとして、ただちに排斥することでしょう。

 ところが、実は、上記の『何らかの異端文書遺物と推測される内容、『人はだれも四人の処女の服を着せてもらわなければ神の国に入ることはできない……』が、バチカン写本にもシナイ写本にも書かれているのです!
 この2写本は、いったいどういうものなのでしょうか?




99%の多数派写本と合致しない『異質』の2写本

 フロイド・N・ジョーンズ博士は、こう分析しています。

《F.N.ジョーンズ博士》
フロイド・ノレン・ジョーンズ
 「新約聖書の真の本文を証言するギリシャ語の写本は、総計で5262あります。そのうちの5217の写本、すなわち、99パーセントは相互に合致しています
 それ以外のもの(バチカン写本シナイ写本など)は、この99パーセントの多数派の写本合致していないだけでなく、それら少数派写本同士の間でも合致していません」(B-2

《99パーセント超の多数派写本》
    
  
   
  

ギリシャ語の写本(総計)
(総数 5262)
フロイド・N・ジョーンズ博士




 ここで、写本を『羊』にたとえてみることにします。次のようなイメージになります。

 5000匹を越えるたくさんの白い羊たちの群れ多数派の写本、すなわち、TRに合致する5000を越える聖書写本群B-2])がありました。
 白い羊たちには共通点が多く、互いに合致しており、仲良く生活していました。
 白い羊たちの中で最も古参の羊は、紀元66年生まれです。(新約聖書の世界最古の写本は、紀元66年のマグダレン写本[TR]です。→B-3参照)

 ところが、それから三世紀も後の四世紀になってから、突如二匹の異様な生き物が現れました!
 すなわち、一匹の黒い生き物(バチカン写本)と、一匹の赤色の生き物(シナイ写本)です。(下図)

5000匹を越えるたくさんの白い羊たちの群れ
(後にTRとなる5000を越える聖書写本群
    
  
   
  

《対立》
《二匹の異様な生き物》
バチカン写本

シナイ写本


 ただし、この二匹は、白い羊たちとは非常に異質の存在であり、白い羊たちの群れとは全くなじみません。
 その二匹の生き物の間にも、互いに合致しないものがあります。
 バチカン写本シナイ写本のイメージは、ちょうど、この二匹の異様な生き物に似ているのです。
 なぜでしょうか?
 なぜなら、この二匹は、その本質(内容)も、外観も、その飼い主(作者)も、白い羊たちの群れのそれとは根本的に全くちがうからです!


《外典》《聖書の一部》から成るバチカン写本シナイ写本

 第二部で、RV主成分バチカン写本であることを見ました。
 次に、このバチカン写本内容を見ることにしましょう。(シナイ写本についても同様です。→D-9参照)
 バチカン写本もシナイ写本も、それぞれ、《外典》+《聖書の一部》から成り立っています。

 《外典》には、『バルナバの手紙』『トビト書』『ヘルマスの牧者』などの書が含まれています。
 《聖書の一部》に含まれるのは、正典の聖書66巻のうちの一部であり、しかも、その「改ざん版」です。
 たとえば、バチカン写本は、『創世記』約91%欠落しており、『詩篇』約22%欠落しています。また、新約聖書の、『テモテへの第一の手紙』・『テモテへの第二の手紙』・『テトスへの手紙』・『ピレモンへの手紙』・『ヨハネの黙示録』100%全部欠落しています。
 また、『ヘブル人への手紙』約53%の分量となる後半全体も欠落しています(D-9)。

《バチカン写本》 全759ページ
《外典》
 たとえば、
『バルナバの手紙』
『トビト書』
『ヘルマスの牧者』
 …………
 …………
《聖書の一部》
 ただし、次の横線のものは欠落
『創世記』約91%欠落。1・1〜46・28が欠落
『詩篇』約22%欠落。106篇〜138篇が欠落
『テモテへの第一の手紙』100%欠落
『テモテへの第二の手紙』100%欠落
『テトスへの手紙』100%欠落
『ピレモンへの手紙』100%欠落
『ヘブル人への手紙』約53%欠落。9・15〜13・25が欠落
『ヨハネの黙示録』100%欠落

『マタイによる福音書』16・2、3
『マルコによる福音書』16・9〜20
『ローマ人への手紙』16・24
……など


 次に、バチカン写本・シナイ写本の中の、1《外典》に書かれていること2《聖書の一部》に書かれていることを順に見ていくことにしましょう。



1 バチカン写本・シナイ写本の中の《外典》に書かれていること

 このバチカン写本・シナイ写本《外典》には、いったいどんなことが書かれているのでしょうか?

事例1 『バルナバの手紙』には、こう書かれています。

  • ユダヤ人は、もはや神との契約の中にはいない
  • モーセは、を食べることを禁じた。これは、豚のような人々と交わってはならないことを意味する。彼らは快楽の中で生きている間は自分の神を忘れているが、何かに不足して苦しむと、主を認めるようになる。ちょうど、豚が、満腹の時は自分の主人を認めようとしないが、空腹になれば騒ぎ立て、そしてまた餌をもらうと、おとなしくなるように。
  • モーセは、あなたはワシも、タカも、トビも、カラスも食べてはならないと言っている。これは、自分の労苦と汗で自分の食物を得るすべを知らず、かえって、他人の物を不当に盗み、他人にわなを掛けようと見張っていながら、外見は全く無実であるように見せている者たちとは交わってはならない、ということである。
  • モーセは、ヤツメウナギや多足動物やイカを食べてはならないと言っている。これは、完全に邪悪で、死の宣告を受けている者たちと交わることに慣れてしまい、自分もそのような者たちになってはならないということである。なぜなら、これらの魚は、呪われており、泥の中をころげ回っており、他の魚のようには泳がず、かえって、深みの底の汚物の中でのたうち回っているからである。
  • モーセは、ウサギを食べてはならないとも言っている。何のためか? これは、姦淫者になってはならないこと、そのような者になってはならないことを我々に示すためである。なぜなら、ウサギは毎年、自分の妊娠の場所を増やすからである。ウサギは何年も生き、そういう場所を多く持っている。
  • あなたはハイエナを食べてもならない。これも、姦淫者になってはならない、他人を滅ぼす者になってはならない、そのような者になってはならないということである。なぜ、そうなのか? なぜなら、この動物は毎年その性質を変え、ある時はオスになり、ある時はメスになるからである。
  • またその理由で、モーセはいみじくもイタチを嫌ったのである。すなわち、自分の汚らわしい理由から自分の口で邪悪な行為をする者たちのようにならないため、口で邪悪な行為をする不純な女たちと交わらないためである。なぜなら、この動物は口で妊娠するからである。……

 ここに書かれているのは、プロテスタントのクリスチャンたちにとっての正典である旧約聖書39巻にも新約聖書27巻にも書かれていないことではないでしょうか?
 モーセという名前を使っていますが、上記の内容はモーセ五書(創世記から申命記まで)には書かれていないことや、聖書全体の教えに反することではないでしょうか?


事例2 『トビト書』には、「悪霊どもを撃退して追い出す方法」も、「病気をいやす方法」も、「罪を清める方法」も書かれており、こう教えています。(D-10「トビト書」の事例参照)

  • トビトはスズメの糞によって盲目にされた。
  • 魚の心臓と肝臓を焼いて生じるが、悪霊どもを撃退して追い出す
  • 魚の胆のうが、盲目をいやす
  • 施し(良い行い)が、すべての罪を清める。………
『トビト書』

 ここに書かれていることを信じて、「魚の心臓と肝臓を焼いて生じる」で悪霊を追い出すことに成功した人々がいたのでしょうか?
 「魚の胆のう」で目が見えるようになった人々がいたのでしょうか?
 「施し(良い行い)が、すべての罪を清める」は、正典の66巻の聖書の教えとは正反対のことではないでしょうか?


事例3 『ヘルマスの牧者』には、一人の天使(牧者)が語ることばとして、こう書かれています。(D-10「ヘルマスの牧者」の事例参照)

  • 人はだれも四人の処女の服を着せてもらわなければ神の国に入ることはできない
  • 「人は、この四人の処女の服をも受けなければ、神の御子の名を受けるだけでは何の役にも立たない。……」
『ヘルマスの牧者』

 これも同様です。「四人の処女の服を着せてもらわなければ神の国に入ることはできない」は、正典の聖書の教えではありません

《外典》に書かれているこれらのことばは、聖なる神のことばでしょうか?
 これらは、聖霊による霊感を受けて書かれたみことばでしょうか?

 次のことを想像してみてください。
 敬虔なクリスチャンの聖徒が、ある『キリスト教会らしきもの』の集会に出席し、そこでバチカン写本シナイ写本による『説教』を聞いたとします。
 もし、その聖徒が、次のように告げることばを一言でも聞いたとすれば、どう思うでしょうか?

  • ユダヤ人は、もはや神との契約の中にはいません
  • 「モーセは、ウサギを食べてはならないと言いました。姦淫者にならないためです!
  • 悪霊から解放されたい人はいますか? 魚の心臓と肝臓を焼いて生じるを使って追い出しましょう!」
  • 盲目の人はいますか? 魚の胆のうでいやされます!
  • 天国に入りたい人は、四人の処女の服を着せてもらわなければなりません!
  • 罪を清めてもらう方法は、施し(良い行い)をすることです!」……

 もし、そのようなことを聞いたなら、天国に行きたいと真剣に願う聖徒には、すぐにそこから離れ去ることをおすすめします!
 これらは、66巻の正典から成る聖書を信じるクリスチャンたちにとっては、異端の教え以外の何ものでもありません!



 白い羊たちの群れ(多数派写本)が、なぜ、一匹の黒い生き物(バチカン写本)や、一匹の赤色の生き物(シナイ写本)を仲間に加えることができないか、おわかりのはずです。
 この二匹の異様な生き物は、敬虔なクリスチャンたちから見れば、『とんでもないこと』を主張している異端的存在なのです!
5000匹を越えるたくさんの白い羊たちの群れ
(後にTRとなる5000を越える聖書写本群
    
  
   
  

《対立》
《二匹の異様な生き物》
バチカン写本

シナイ写本



まとめ
 これまでのことを整理すると、こうなります。
  • バチカン写本・シナイ写本は、
    5000を越える99%の多数派写本と合致しない、『非常に異質の2写本』である。

  • その中身は、《外典》《聖書の一部》であり、
    その《外典》に書かれていることは、『異端の教え』にほかならない。




2 バチカン写本・シナイ写本《聖書の一部》に書かれていること

 次に、バチカン写本・シナイ写本の中の《聖書の一部》について見てみましょう。
この2写本に書かれている「ことば」は、信頼できる『聖書本文』なのでしょうか?
この2写本は信頼できる『聖書』なのでしょうか?

 RVが作られた時期とほぼ同時期にこの2写本を検証した聖徒たちがいます。
 彼らが下した評価と判断を見てみましょう。(D-11参照)

英国国教会の地方監督ジョン・W・バーゴン師[1813年〜1888年]は、五年半を費やして「福音書の大文字体の五つの写本を検証」し、こう宣言しました。

「非常に明らかなのは、この二つの写本(バチカン写本およびシナイ写本)いずれも、そしてこの二つだけ損なわれていることです。
 そのため、私たちはそれらの写本を、霊感された聖書原文の二つの別個の証拠として受け入れるのではなく、ひどくくずれた(改ざんされた)、そして比較的後期の同じ一つの写本からの複製にすぎないものと考えざるを得ません」
《ジョン・W・バーゴン》
ジョン・W・バーゴン

「福音書だけでも、バチカン写本は1491回以上、単語や節全体を削除しています。
 すべてのページに、不注意な書き写しの痕跡があります。
 シナイ写本は、全く比類のないほどの、目とペンでのエラーに満ちています
 10語、20語、30語、40語の単語が、とても不注意なために抜けていることが、多くあります。
 文字や単語、そして文章全体までもが、二度繰り返し書かれていることが、しばしばあります。あるいは、書き始めて、すぐに中断されていることもあります。…」

「何の躊躇もなく言えるのは、これらは、最もひどく腐敗している(くずれている)三つの写本であることです。…
 また、それらは、偽造された読み方、古代のとんでもない間違い、および、真理を意図的にゆがめたものなどが大量にある倉庫となっています」


1864年、F.H.A.スクリブナー博士は、『シナイ写本の完全な検証』という本を発行しました。
(スクリブナー博士は、非常に学識のある神の人であり、新約聖書の写本および聖書本文の歴史に関し、当時、最も有能で卓越した本文批評学者でした)
 その著書の中で、スクリブナー博士はこう述べています。

《スクリブナー博士》
F.H.A.スクリブナー

「シナイ写本は、少なくとも十人の別々の改訂者によって行われような改ざん(明らかに修正が行われたという性質の改ざん)だらけです。
 すべてのページに体系的になされている改ざんもあれば、この写本の数々の箇所に限定されている改ざんもあります。…
 …一行分を埋めるのにぴったりの数の文字が時々抜けていて、文章の意味を完全に壊している…」

 スクリブナー博士は、「数行が完全に抜けてしまっている」数々の事例も引用しています。
 また、「書記者が、ある行の途中で、その下の行の途中の箇所へと飛んでしまった」数々の事例も引用しています。

フィリップ・マウロ師(1859年〜1952年)はこう述べています。

《フィリップ・マウロ師》
フィリップ・マウロ

 バチカン写本とシナイ写本は、現存する写本全体のうちの99パーセントの写本と異なっているだけでなく、写本同士の間でも異なっています。

 この二つの写本と、それ以外の多数派の写本には、多くの相違点があります。
 福音書だけでも、バチカン写本は新約聖書本文TRと、次のようなちがいがあります。

バチカン写本は、少なくとも2877語を削除しています。
それは536語を付け加えています。
それは935語を置き換えています。
バチカン写本シナイ写本

2098語を転置しています。
そして、それは1132語を修正しています。

 こうして合計7578語の改ざんがなされています。
 けれども、シナイ写本は、それ以上にひどいものです。
 なぜなら、この写本の改ざんの合計が、9000近くにもなるからです。





 以上のことから、2写本の《聖書の一部》に書かれていることをまとめると、こうなります。
  • バチカン写本・シナイ写本《聖書の一部》に書かれていることは、
    偽造された読み方】【古代のとんでもない間違い】【真理を意図的にゆがめたもの】など
    大量にある、改ざんされた聖書本文』である。



もし真の『写本』であるなら…

 この2写本が、聖書の真の『写本』でないことは明白です。
 もし、真の『写本』であるなら、聖書の原文(または写本)に書かれていることが、全く変更されることなく、全く改ざんされることなく、そのまま全部の文字・文章が書き写されるはずです。
 なぜなら、聖書自体がこう警告しているからです。

「もし、だれかがこれらのことに付け加えるなら、神はこの書に書かれている数々の災害を、その人の上に付け加えられます。
 そして、もし、だれかがこの預言の書のことばから取り除くなら、神は命の書から、また聖なる都から、またこの書に書かれている数々のものから、その人の分を取り除かれます」
(黙示録22・18、19) 




もし『神のみことば真剣に受け留める聖徒』であるなら…

 そのような『神のみことば真剣に受け留める聖徒』であるなら、聖書のことばを、偽造された読み方】にしたり、【真理を意図的にゆがめたりすることはあり得ず、どんな「削除」も、「偽造」も、「改ざん」もしないはずであり、書物の100%はおろか1%でも欠落させることはないはずです。

 明らかに、バチカン写本・シナイ写本の作者は、『神のみことば真剣に受け留める聖徒』ではなく、むしろ、それとは異なる意図を持った人物であることが予想されます。




これまでのまとめ

 これまでのことを整理してみましょう。
表示すると、こうなります。

《バチカン写本》《シナイ写本》
バチカン写本 シナイ写本
《外典》= 異端の教え

 たとえば、
『バルナバの手紙』
『トビト書』
『ヘルマスの牧者』……など
《聖書の一部》= 改ざんされた聖書本文

偽造された読み方】
【古代のとんでもない間違い
【真理を意図的にゆがめたもの】などが大量にある倉庫

 次の横線のものは欠落(バチカン写本)
『創世記』約91%欠落。1・1〜46・28が欠落
『詩篇』約22%欠落。106篇〜138篇が欠落
『テモテへの第一の手紙』100%欠落
『テモテへの第二の手紙』100%欠落
『テトスへの手紙』100%欠落
『ピレモンへの手紙』100%欠落
『ヘブル人への手紙』約53%欠落。9・15〜13・25が欠落
『ヨハネの黙示録』100%欠落

『マタイによる福音書』16・2、3
『マルコによる福音書』16・9〜20
『ローマ人への手紙』16・24
……など

そして、次のことがわかりました。
  • バチカン写本・シナイ写本は、
      5000を越える99%の多数派写本と合致しない、『非常に異質の2写本』である。

  • その中身は、《外典》《聖書の一部》であり、
    その《外典》に書かれていることは、『異端の教え』にほかならない。

  • バチカン写本・シナイ写本《聖書の一部》に書かれていることは、
    偽造された読み方、古代のとんでもない間違い、真理を意図的にゆがめたものなどが大量にある『改ざんされた聖書本文』である。





 これらの事実は、何を意味するでしょうか?

異端者が作る異端聖書とは?

 次のことも考えてみてください。
 もし、だれかキリスト教の異端者がキリスト教的な異端思想を広めようと考えて『異端聖書』を作ろうとすれば、どういうものを作ることになるでしょうか?

 その『聖書』は、当然、『独自の異端思想』を含む内容であるはずです。
 同時に、『キリスト教』として受け入れられるために、『聖書的要素』も取り入れる必要があります。
 『聖書』、『神』、『律法』、『モーセ』、『天国』、『罪』などのキリスト教用語を使用し、『創世記』、『詩篇』、『…による福音書』、『…への手紙』なども一部取り込み、キリスト教の真の『聖書』であるかのように『錯覚』あるいは『誤解』させる可能性は大いにあります。
 ただし、真の『聖書』を全部そのまま取り込むのではなく、それを独自の異端思想適合させるはずです。
 したがって、真の聖書を『改ざん』したものが『聖書』として取り込まれることでしょう。
 つまり、キリスト教異端者が作る異端聖書は、異端思想を含む改ざん聖書となるはずです。

『異端聖書』異端思想+改ざん聖書

 まさに、その通りのことが見られるのが、バチカン写本とシナイ写本なのです!

バチカン写本 シナイ写本
《外典》
 = 異端の教え


 たとえば、
『バルナバの手紙』
『トビト書』
『ヘルマスの牧者』……など
  • ユダヤ人は、もはや神との契約の中にはいない
  • ウサギを食べてはならない、姦淫者にならないために!
  • 悪霊から解放されたい人はを使って追い出しなさい!」
  • 盲目の人は魚の胆のうでいやされる!
  • 天国に入るには、四人の処女の服を着なければならない!
  • 罪を清めてもらうには、施しをすることだ!」……など
+
《聖書の一部》
 = 改ざんされた聖書本文


偽造された読み方】【古代のとんでもない間違い】【真理を意図的にゆがめたもの】などが大量にある倉庫

 次の横線のものは欠落(バチカン写本)
  • 『創世記』約91%欠落。1・1〜46・28が欠落
  • 『詩篇』約22%欠落。106篇〜138篇が欠落
  • 『テモテへの第一の手紙』100%欠落
  • 『テモテへの第二の手紙』100%欠落
  • 『テトスへの手紙』100%欠落
  • 『ピレモンへの手紙』100%欠落
  • 『ヘブル人への手紙』約53%欠落。9・15〜13・25が欠落
  • 『ヨハネの黙示録』100%欠落
  • 『マタイによる福音書』16・2、3
  • 『マルコによる福音書』16・9〜20
  • 『ローマ人への手紙』16・24……など


 こうして、次のことがわかります。
 バチカン写本・シナイ写本は、
  『異端の教え』と『改ざんされた聖書本文』から成る『異端聖書』である。
 
 さらに、バチカン写本・シナイ写本の作者が、『神の厳粛なみことば真剣に受け留める神の聖徒』ではなく、それとは異なる意図を持った人物であることも明らかなこととして予想されます。

 次に、このバチカン写本・シナイ写本から、どのようにして66巻の聖書本文RVが出来上がったかを見てみましょう。





バチカン写本・シナイ写本に施された合成加工

 第二部で、RV主成分バチカン写本であり、おもな副成分シナイ写本であることを見ました。
 このRVの構成要素をフロイド・N・ジョーンズ博士等の専門家たちは、こう分析しています。

現代の数々の聖書本文は、その90パーセントバチカン写本を土台とし、7パーセントシナイ写本を土台とし、約2.5パーセントはアレクサンドリア写本を土台とし、残りの0.5パーセントは他の少数の初期の大文字写本を土台としています」

バチカン写本 シナイ写本
RV
フロイド・N・ジョーンズ博士 E-1



バチカン写本の中のページが欠けている場合、ホートはシナイ写本を使いました。
バチカン写本 シナイ写本

 ウェストコットとホートの本文(RV)は、
 実質的に、すべてバチカン写本なのです」

ジャスパー・J・レイ師およびホスキアー師


 つまり、バチカン写本・シナイ写本から、プロテスタントのクリスチャンたちに受け入れられる66巻の聖書を作り出すために、加工が施されたのです。




2写本に施された『外典の除去』『つぎはぎ細工』
バチカン写本シナイ写本
  • 『外典の除去』
     …2写本は《外典》《聖書の一部》から成り立っていましたが、そのうちの、《外典》の部分は除去されました。
  • 『つぎはぎ細工』
     …主成分であるバチカン写本に欠落していた『創世記』(約91%欠落)、『詩篇』(約22%欠落)、『テモテへの第一の手紙』・『テモテへの第二の手紙』・『テトスへの手紙』・『ピレモンへの手紙』・『ヨハネの黙示録』(100%全部欠落)、『ヘブル人への手紙』(約53%欠落)などは、
    シナイ写本等によって充当されました。
 しかし、
 改ざん聖書本文』+改ざん聖書本文』改ざん聖書本文』

改ざん聖書本文』(バチカン写本)を別の改ざん聖書本文』(シナイ写本等)で『つぎはぎ細工』をしても、加工後のRVも同じく改ざん聖書本文』です!
 66巻として数がそろい、見かけが変わっても、本質変わっていません!

これらの作業を行ったのは、RV編集者たちでした。




 したがって、次の結論が導き出されます。
  • バチカン写本・シナイ写本は、
    『異端の教え』と『改ざんされた聖書本文』から成る『異端聖書』である。

  • バチカン写本・シナイ写本『改ざん聖書本文』から作られたRVも、
    同じく『改ざん聖書本文』である。

 次の第四部で、このバチカン写本・シナイ写本が、どこから生じ、だれが作ったかを見ることにしましょう。



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