旧約聖書の歴史と改ざんS4-8 聖書の歴史 目次 

《 ビブリア・ヘブライカ_改ざん聖書本文


8『絶対にあってはいけないこと


「一点一画」を重んじる人々・重んじない人々

 真の神の民は、をも、神のことばの「一点一画をも重んじます。
 イエス・キリストはこう言われました。

なぜなら、まことにあなたがたに言いますが、天と地が過ぎ去るまでは、律法から文字の一点あるいは一画も、すべてが起こるまでは、過ぎ去ることは決してないからです」(マタイ5・18)

 ところが、キッテルを初めとするドイツ人合理主義神学者たちは、「文字の一点あるいは一画」をも重んじるレビ系のユダヤ人写字者たちのようではありませんでした。
 レビ系のユダヤ人写字者たちには、たとえば次のような厳格な規定がありました。(→F5参照)

  • 記憶から"一語でも一文字でも"書くことはできない。
  • 彼は、『神』(ヘブル語『エロヒム』)という語を書く前に、そのたびにペンを、うやうやしくぬぐわなければならない。
  • 彼は、『イェホバ』という神の御名を書く前に、自分の全身を洗わなければならない。聖なる御名が汚されないためである。…

 また、書き写した写本に関しては、こういう規定もありました。
  • どの単語も、そして、どの文字も、数が数えられた。
    そして、もし一つの文字が抜けていたり、一つの文字が余計であったり、一つの文字が他の文字と触れていたりすれば、その写本は無効とされ、すぐに廃棄された。

 ユダヤ人の旧約聖書の写本は、そういう厳格な規定のもとで作られ、継承されてきました。
 彼らは、たった一文字でもまちがいが生じないように、最高で最善の注意を払ったのです。
 彼らにとって、神のことば自分の考えや思想書き換えること、すなわち、改ざん、削除、付加などを行うことは、『あり得ないこと』『絶対にあってはいけないこと』でした。


『絶対にあってはいけないことを行う人々

 もし、写字者たちの中に、次のようなことを主張する者がいたら、どうでしょうか?

たぶん、この言葉は、こう変えて読むべきである。
 異端グノーシス派の文書からすると、たぶん、この箇所は削除すべきである。
 私の推測では、おそらく、この語を付加すべきだ。
 □□というギリシャの神を信じる人の資料からすると、この語は、こう変更すべきだ。
 東洋や西洋の資からすると、この『二語』は、この『一語』入れ替えるべきだ。
 異端エビオン派の資料によれば、たぶん、この『否定文』は『肯定文』に変更すべきだ。
 全部で二万か三万箇所変えることにしよう

 もし、そんなことを言い出す写字者がいたなら、彼は即刻、資格を剥奪されることでしょう!
 それだけでは済まず、「冒涜」の罪で、「石打ちの刑」(ヨハネ10・30〜33)に処せられるかもしれません。
 あるいは、「この者を取り除け!」(ルカ23・18)と叫ばれて、十字架刑に処せられるかもしれません。
 そもそも、神のことばをこのうえなく大切にするレビ系のユダヤ人写字者たちの中に、そのような不敬虔な写字者は存在し得ないはずです。
 ところが、そういうユダヤ人たちにとっては『あり得ないこと』『絶対にあってはいけないことであるにもかかわらず、それを20世紀に実行したのが、ルドルフ・キッテルなのです! ビブリア・ヘブライカ
 そうして作り出されたのが、『ビブリア・ヘブライカ』なのです!


強く排斥されている『ビブリア・ヘブライカ』

 あるユダヤ人クリスチャンは、こう言っています。

ユダヤ人版旧約聖書  「キッテルの著作は、今でも福音派のクリスチャンたちの間で高く評価されていますが、"ユダヤ人版"の旧約聖書のほとんどは、ルドルフ・キッテル(父)およびゲルハルト・キッテル(息子 注2)の著作も"学識"も、強く退けてきました

 彼らは、キッテルらの改ざん行為を早くから見抜いていたのです!


神の信託を受けた
ユダヤ人のレビ人たち
マソラ本文
ヤコブ・ベン・ハイーム編纂)
旧約マソラ本文
マソラ本文に基づく聖書
  • 神と、神のことば忠実
  • 神がレビ人たちを用いて書き写させてきたヘブル語聖書本文忠実
キング・ジェームズ版聖書 ユダヤ人版旧約聖書

ビブリア・ヘブライカ
ルドルフ・キッテル編纂)
ビブリア・ヘブライカ
ビブリア・ヘブライカ構成
オリゲネス オリゲネス聖書
ビブリア・ヘブライカに基づく
旧約聖書
  • 《キッテルの『欄外注釈』忠実
  • 【編集者たちの推測(キッテルら自身の思想や信念を反映するもの)と、
    【諸資料】オリゲネスを初めとする異端者・異教徒らの文書、西洋・東洋の諸文書、改ざん聖書本文等」)に忠実

聖書 新改訳2017 聖書協会 共同訳

…………………………
注2)息子のゲルハルト・キッテルは『キッテルによる神学辞典』を編纂した神学者でしたが、反ユダヤ主義者(ユダヤ人排斥者)でもありました。彼は、ヒトラーに忠誠を誓うナチ党員となり、ヒトラーの"側近"となりました。彼は、ヒトラーによるユダヤ人大虐殺の"神学的根拠"を与えたナチス戦犯者でした。
 

さらに深い理解のために(英語)
FOUR REASONS for DEFENDING THE KING JAMES BIBLE(PDF)
(『KJ版聖書の擁護の四つの理由』 D. A. Waite博士)"
Defending the King James Bible(『KJ版聖書の擁護』D.A.Waite博士著 推奨図書)
Reliable Hebrew Text - King James Version Today(『信頼できるヘブル語マソラ本文』について)
A Catholic Bible in Evangelical Churches(『福音派教会におけるカトリック聖書』)
Deceiving, And Being Deceived(聖書本文についてのQ&A)
Does the Hebrew Masoretic text underlying the KJV have any errors?(マソラ本文について)
Rudolf Kittel(ルドルフ・キッテルについて)
Kittel, Rudolf° | Encyclopedia.com(ルドルフ・キッテルについて…Encyclopaedia Judaicaによる)
Biblical Hebraica and Ancient Manuscripts | Bible Questions and Answers(ビブリア・ヘブライカと古代文書)
さらに深く学ぶためのリンク集
マソラ本文
マソラ本文・KJ版聖書等の訳文比較イザヤ9・3



聖書の歴史 目次 次へS4-9


歴史S 改ざん旧約聖書の歴史
七十人訳聖書とは?》
1 七十人訳聖書…だれかの想像の産物
2 『だまし物』『でっち上げ』七十人訳聖書
3 七十人訳聖書の人為的加工矛盾

ビブリア・ヘブライカとは?》
4  ビブリア・ヘブライカ_改ざん聖書本文
1ルドルフ・キッテル…聖書を信じない『聖書改ざん者』
2ビブリア・ヘブライカの構成
3編集者の『推測』
4『異端』で満ち満ちたビブリア・ヘブライカ(1)
5『異端』で満ち満ちたビブリア・ヘブライカ(2)
6ビブリア・ヘブライカの『改ざん事例』
7原文に不忠実な『ビブリア・ヘブライカ』
8『絶対にあってはいけないこと
9モルモン教も加わったビブリア・ヘブライカ



ページの上へ↑
……

本当の聖書の歴史概観 聖書改ざんの歴史概観 新約聖書の歴史 並列概観  シナイ写本の偽造プロセス

聖書の歴史 目次  聖書のホームページ 新約聖書 ラインナップ  




利用規約  Copyright C. エターナル・ライフ・ミニストリーズ   Counter