●ルシファー礼拝をも可能にしている改ざん聖書
UBS本文は旧約聖書をも改ざんしています。改ざんされた本文に基づく聖書の大きな特徴の一つは、ルシファー礼拝者たちも使うことのできる聖書であることです!
実際に、このWH/UBS/NA本文に基づく聖書を使っているキリスト教団体の中に、ルシファーを礼拝している団体も存在します。
彼らは、「ルシファー」はサタンではないと主張するのです。どうして、そのようなことが可能なのでしょうか?
◆WH/UBS/NA本文から消された「ルシファー」
その原因は、WH/UBS/NA本文に基づく聖書から「ルシファー」という語が消されているからです。
WH本文を作り出したウェストコットとホート自身が熟練した降霊術者たちでした。
彼らは悪霊どもと交信し、悪魔と交流したサタニストたちでした。
この「ルシファー」という語は、キング・ジェームズ版聖書やジュネーブ聖書(1560年)などの英語聖書の中では、唯一イザヤ14・12の箇所にあります。
★イザヤ14・12
|
- 「どうしてあなたは天から落ちたのか、ルシファー、暁の子よ。」(ヘブル語マソラ本文直訳)
「How art thou fallen from heaven, O Lucifer, son of the morning ! 」(KJV:キング・ジェームズ版聖書)
|
ところが、1881年にWH本文が登場した後、WH/UBS/NA本文に基づく聖書からは「ルシファー」という語が消されています。
★イザヤ14・12
|
- 「明けの明星、暁の子よ。どうしておまえは天から落ちたのか」(『新改訳 2017』)
「黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった」
(聖書協会 新共同訳)
|
すなわち、「ルシファー」が「明けの明星」に『置き換え』られています。
けれども、比較的近年までは、そうではありませんでした。
◆1960年代までカトリック聖書にも存在していた「ルシファー」
1960年代までのカトリック教会の聖書のイザヤ14・12の訳文は、こうでした。
上記の三つのカトリック聖書では、イザヤ14・12の箇所で「ルシファー」と訳されていました。
17世紀に作られた、カトリック教会の聖書『ドゥアイ・リームズ聖書』でも、イザヤ14・12でルシファーという語が使われており、その『注釈』も付いています。
その『注釈』を日本語に訳すと、こうなります。「…悪霊どもの君、ルシファー、彼は輝かしい天使として創造されたが、高慢と神への反逆により倒れた(堕落した)…」(ルシファーについての聖書の教えと啓示参照)
1960年代までカトリック聖書として発行されていた『Knox Bible』(ノックス聖書)でも、イザヤ14・12でルシファーという語が使われていました。
ところが、第二バチカン公会議(1962年開始、1965年終了)以後は、カトリック教会の聖書は訳文も解釈も一変しました!
「How have you fallen from the heavens, O morning star(明けの明星), son of the dawn! How are you cut down to the ground, you who mowed down the nations!」 (イザヤ14・12 New American Bible 1970年〜 バチカン[ローマ教皇庁発行])
|
(New American Bibleは新約聖書はNA(ネストレ-アーラント版)本文に基づいており、旧約聖書はBHS(ビブリア・ヘブライカ: 改ざん聖書本文)に基づいています。1970年以降のカトリック聖書は、WH/UBS/NA本文やビブリア・ヘブライカ等に基づいています)
◆「ルシファー」から「明けの明星」への『置き換え』
こうして明らかなように、比較的近年まではプロテスタントの聖書やカトリックの聖書に、イザヤ14・12に、ルシファーという語が存在し、プロテスタントもカトリックも、ルシファーはサタンであり悪魔であるという理解を持っていました。
ところが、1881年以降のWH/UBS/NA本文に基づくプロテスタントの聖書で、また1970年以降のカトリックの聖書で、イザヤ14・12の「ルシファー」という語が「明けの明星」という語に『置き換え』られたのです。
黙示22・16にも、同じ「明けの明星」という語があり、それは、イエス・キリストのことを述べています。
そのため、現代版の多くの聖書は、イザヤ14・12、15に記されている「地獄に落とされた者」がイエス・キリストであるかのような印象を読者に与えています。
こうした改ざんの結果、ルシファー礼拝をする「キリスト教団体」でも"安心して"WH/UBS/NA本文に基づく"聖書"を使えるようになっているのです。
なぜなら、これらの聖書には、サタン、悪魔を表す「ルシファー」という語が存在しないからです。
|